余談ですが、革命とか独立の塔について。
前にこのブログのどこかに、「キエフのマイダン広場に建っている塔が、パリのバスティーユ広場に建っている塔にそっくり」と書きました。
実は、ブランデンブルク門のソ連製戦車を調べているときに、ベルリンにも似たような塔が立っていることを発見したのです。
●まず、パリのバスティーユ革命広場に建っている塔。La Colonne de Juillet
フランス革命は、もちろん1789年のバスティーユ襲撃から始まります。この塔は、1830年にルイ・フィリップが建設を決め、1840年に完成したそうです。7月革命を記念したものです。
●次に、ベルリンに立っている塔。 ドイツ語だとSiegessäule、 英語だとThe Victory Column
1864年に、プロシアがオーストリアと組んで、デンマークとの戦争(二度目)に勝ったのを記念。でも、完成までに、1866年にはオーストリアとの戦争で、1870―71年にはフランスとの戦争で(普仏戦争)に勝ったので、これらの勝利の意味も含められて、1873年に完成。
●そして、ウクライナの首都キエフのマイダン広場にたっている塔。
2001年に独立広場に立てられたもの。前はレーニン広場だったそうです。
うう、似ているなあ。間にドイツが入ると、ますますわかる感じ。
キエフの塔は、台座部分は、ベルリンのものに似ていますね。
ところで、ウイキ英語版情報ですが、面白い話をみつけました。
ベルリンの塔にあったレリーフが、1945年、フランス軍の要請によって、取り外された。おそらく、ドイツに以前の戦勝、特にフランスに対する戦勝を思い出させないためではないか。1987年、ベルリンの750年記念のときに、ミッテラン大統領によって返却された。でも、一部はまだフランスにあるまま。
―――と書いてありました。
すごく勝手な想像ですが「うちのマネしてつくっておいて、うちの敗戦を偉そうに描くんじゃないよ!」「うちのは革命の記念で神聖な塔なんだぞ。戦勝記念なんかのために真似したあげく、うちの敗戦を描きやがって」とフランスは思ったのでしょうか(笑)。それとも、ナチスが塔の場所を移動したことにまつわる、何かの秘話があるのでしょうか。
ただ、どこをみても「フランスのバスティーユの真似」とは書かれていません。
確かに塔なんて、古代エジプトから(もっと前?)からあるのだから、バスティーユの塔そのものも、どこかの真似かもしれません。真似ならば、イタリアくらいしか考えられません。ベルリンの塔の製作者は、イタリアのロンバルディア地方にあるブレシアのtorre faroからインスピレーションを受けたとあるので、原型はここかなと思ってネットで探してみました。でも見つけられませんでした。
ただパリの場合は「革命の記念」という所がポイントであり、そういう意味では、デザインはともかく、精神を継承しているのは、キエフの塔なのかもしれません。
それと、キエフの塔のてっぺんにある飾りは、「Berehynia」というもので、スラブ神話に基づいていて、20世紀以降ではスラブの女神様であり、ウクライナのナショナリズムのシンボル的な扱いになっているそうです。なんだかフランスのマリアンヌみたいだわ(ニューヨークの自由の女神も、原型はフランスのマリアンヌ)。
●ところで、フランス語版ウイキによると、ベルリンの塔はメキシコに影響を与えました。1910年にメキシコに「独立の天使」El Ángel の塔として建てられたものの、原型になったそうです。
塔のてっぺんに乗っている金色の天使が、ベルリンとメキシコではそっくりなのです。「勝利の天使」だそうです。どうも、これはギリシャ神話「ニケ」から来ているらしい。ああ、なるほど! サモトラのニケのニケかあ。ああ、そういえば形が似ているわあ。なるほど、起源の一つは、サモトラのニケですね。
ベルリンのほうは、「ベルリン・天使の詩」というベンダースの映画にもつながります。
様々なカラーでライトアップするところも似ていますね。バスティーユは、普通のライトアップです(素材の関係でしょうかね)。
ところで、メキシコの塔について、フランス語版ウイキには「バスティーユの塔が原型」と書いてありますよ。ということは・・・・・? ベルリンの塔はやっぱりバスティーユが原型ということになるのかな。でも、はっきり書いたものがすぐにみつからないのは、なぜ? 何かの歴史的因縁や、摩擦があるののかもしれません。「言いたい!!誰もがみな思っている! でも言えない」みたいな(苦笑)。
●あれれ? メキシコの塔には、リンクがはってある。
Friedensengel (Angel of Peace, Prinzregentenstrasse, Munich)
とあります。なんだか・・・・予感が。
うわあ、また出た!そっくりさんが。
ドイツのミュンヘンにある4つのロワイヤル(王室)通りのうちの一つが、Prinzregentenstraßeなんだそうです。そこにあるのです。1896年に台座がうたれて、1899年に完成とあります。Angel of Peaceと呼ばれているそうです。原型はニケだけど、勝利の天使じゃなくて、今度は平和の天使になっちゃった。1870―71年の普仏戦争の後の25年間の平和のときにたてられたので、こう呼ばれるらしいです。年代的には、ベルリンの塔の後ですね。
年代的には
バスティーユ パリ(革命記念)
↓
ベルリン(戦勝記念)
↓
ミュンヘン(平和記念)
↓
メキシコ(独立記念)
↓
キエフ(独立記念)
の順です。メキシコはおいといて、キエフの塔が一番外観で似ているのは、前につくられたミュンヘンのものですね。
世界中に、まだまだありそう・・・。
日本のどこかの公園にあったりして(笑)。
てっぺんの詳細は、今回はやめておきます。
面白いですね、こういうの。
実は、ブランデンブルク門のソ連製戦車を調べているときに、ベルリンにも似たような塔が立っていることを発見したのです。
●まず、パリのバスティーユ革命広場に建っている塔。La Colonne de Juillet
フランス革命は、もちろん1789年のバスティーユ襲撃から始まります。この塔は、1830年にルイ・フィリップが建設を決め、1840年に完成したそうです。7月革命を記念したものです。
●次に、ベルリンに立っている塔。 ドイツ語だとSiegessäule、 英語だとThe Victory Column
1864年に、プロシアがオーストリアと組んで、デンマークとの戦争(二度目)に勝ったのを記念。でも、完成までに、1866年にはオーストリアとの戦争で、1870―71年にはフランスとの戦争で(普仏戦争)に勝ったので、これらの勝利の意味も含められて、1873年に完成。
●そして、ウクライナの首都キエフのマイダン広場にたっている塔。
2001年に独立広場に立てられたもの。前はレーニン広場だったそうです。
うう、似ているなあ。間にドイツが入ると、ますますわかる感じ。
キエフの塔は、台座部分は、ベルリンのものに似ていますね。
ところで、ウイキ英語版情報ですが、面白い話をみつけました。
ベルリンの塔にあったレリーフが、1945年、フランス軍の要請によって、取り外された。おそらく、ドイツに以前の戦勝、特にフランスに対する戦勝を思い出させないためではないか。1987年、ベルリンの750年記念のときに、ミッテラン大統領によって返却された。でも、一部はまだフランスにあるまま。
―――と書いてありました。
すごく勝手な想像ですが「うちのマネしてつくっておいて、うちの敗戦を偉そうに描くんじゃないよ!」「うちのは革命の記念で神聖な塔なんだぞ。戦勝記念なんかのために真似したあげく、うちの敗戦を描きやがって」とフランスは思ったのでしょうか(笑)。それとも、ナチスが塔の場所を移動したことにまつわる、何かの秘話があるのでしょうか。
ただ、どこをみても「フランスのバスティーユの真似」とは書かれていません。
確かに塔なんて、古代エジプトから(もっと前?)からあるのだから、バスティーユの塔そのものも、どこかの真似かもしれません。真似ならば、イタリアくらいしか考えられません。ベルリンの塔の製作者は、イタリアのロンバルディア地方にあるブレシアのtorre faroからインスピレーションを受けたとあるので、原型はここかなと思ってネットで探してみました。でも見つけられませんでした。
ただパリの場合は「革命の記念」という所がポイントであり、そういう意味では、デザインはともかく、精神を継承しているのは、キエフの塔なのかもしれません。
それと、キエフの塔のてっぺんにある飾りは、「Berehynia」というもので、スラブ神話に基づいていて、20世紀以降ではスラブの女神様であり、ウクライナのナショナリズムのシンボル的な扱いになっているそうです。なんだかフランスのマリアンヌみたいだわ(ニューヨークの自由の女神も、原型はフランスのマリアンヌ)。
●ところで、フランス語版ウイキによると、ベルリンの塔はメキシコに影響を与えました。1910年にメキシコに「独立の天使」El Ángel の塔として建てられたものの、原型になったそうです。
塔のてっぺんに乗っている金色の天使が、ベルリンとメキシコではそっくりなのです。「勝利の天使」だそうです。どうも、これはギリシャ神話「ニケ」から来ているらしい。ああ、なるほど! サモトラのニケのニケかあ。ああ、そういえば形が似ているわあ。なるほど、起源の一つは、サモトラのニケですね。
ベルリンのほうは、「ベルリン・天使の詩」というベンダースの映画にもつながります。
様々なカラーでライトアップするところも似ていますね。バスティーユは、普通のライトアップです(素材の関係でしょうかね)。
ところで、メキシコの塔について、フランス語版ウイキには「バスティーユの塔が原型」と書いてありますよ。ということは・・・・・? ベルリンの塔はやっぱりバスティーユが原型ということになるのかな。でも、はっきり書いたものがすぐにみつからないのは、なぜ? 何かの歴史的因縁や、摩擦があるののかもしれません。「言いたい!!誰もがみな思っている! でも言えない」みたいな(苦笑)。
●あれれ? メキシコの塔には、リンクがはってある。
Friedensengel (Angel of Peace, Prinzregentenstrasse, Munich)
とあります。なんだか・・・・予感が。
うわあ、また出た!そっくりさんが。
ドイツのミュンヘンにある4つのロワイヤル(王室)通りのうちの一つが、Prinzregentenstraßeなんだそうです。そこにあるのです。1896年に台座がうたれて、1899年に完成とあります。Angel of Peaceと呼ばれているそうです。原型はニケだけど、勝利の天使じゃなくて、今度は平和の天使になっちゃった。1870―71年の普仏戦争の後の25年間の平和のときにたてられたので、こう呼ばれるらしいです。年代的には、ベルリンの塔の後ですね。
年代的には
バスティーユ パリ(革命記念)
↓
ベルリン(戦勝記念)
↓
ミュンヘン(平和記念)
↓
メキシコ(独立記念)
↓
キエフ(独立記念)
の順です。メキシコはおいといて、キエフの塔が一番外観で似ているのは、前につくられたミュンヘンのものですね。
世界中に、まだまだありそう・・・。
日本のどこかの公園にあったりして(笑)。
てっぺんの詳細は、今回はやめておきます。
面白いですね、こういうの。
2014-05-07 02:36
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