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内 戦

昨日6日、フランスのメディアで、ウクライナ情勢をはっきりと「内戦」と表現しているものに気づきました。

はっとしました。

そういえば、今まではこの言葉は使われていなかった。今までは、「内戦のリスク」とか、「内戦の危機」とかは言われていたと思うんですが、はっきりと「内戦」とは言っていなかったと思います。
最新情勢をアップデートする図表みたいなものに「内戦の範囲」というタイトルがついているのです。

いつからこの言葉は使われ始めたのだろう。私が気づいたのは昨日だけど、もっと前からあったのだろうか。何かきっかけがあったのだろうか。

ネット検索で調べてみると、(確か)一番の部数を誇る大衆的な新聞「ル・パリジャン」(地方ではオウジョウデュイ)の紙面で、「内戦の脅威」という表現で、「内戦」という言葉がはじめて使われたのは、5月3日のようだ。

5月4日で紙面で、ロシア世界の専門家 タチアナ カストウエヴァ・ジャンさんのインタビュー記事がのっている。彼女はNEIロシアセンターの責任者で、「ウクライナでは、内戦は避けられないのか」という質問にこたえている。

その後、この新聞は他のメディアと同じように、特にネットでAFPの記事をよく使っているが、5月5日から「内戦のシナリオ」とか「内戦まじか」「内戦のリスク」などの表現を使うAFPの記事の掲載が出るようになってきた。
5月6日には、オランド大統領がテレビインタビューで「選挙がなければ、内戦のカオスとリスクだろう」と言っている。

前述の「内戦の範囲」という表現を使った図表は、5月2日に登場しているようだ。確かに、ここ最近に登場した図表だと思う。ただ、私の記憶が正しければ、この図表のタイトルには、前は「内戦」という言葉は使われていなかったように思うのだ。アップデートでタイトルを変えたので、過去のデータも自動的に更新されたのではないかという感じがする。うろ覚えなので、はっきりと断言はできないのだけど・・・。

このように、記事ではまだ「内戦の恐れ」というような表現が出始めた段階で、内戦、内戦と連発しているわけではない。

ル・モンドはどうか。

「内戦の脅威」という形で、「内戦」という言葉がはじめて登場したのは、5月5日の夜付けで、6日にネットに発表されたインタビュー記事だ。ル・モンドの国際サービスレポーターのPiotr Smolar に聞いたもので、「内戦の脅威は、日々ばかげたものではなくなってきている」というタイトルだ。
まだ2本しか使われていないようだ。
こちらは、「内戦」とはっきり言っているものは、見当たらない。

それではイギリスはどうか。

ファイナンシャル・タイムズでは、初出は5日の「内戦か侵略の可能性に直面して」という表現のようだ。その後「戦争は可能性がある」といった表現がされている記事が出ている。

英語で調べてみると、やはり5月5日くらいから、英語記事のメディアで「内戦の恐れ」といった表現が激増している。
5月3日には、イギリスではガーディアン紙が、「キエフが親ロシア派の謀反をウクライナを内戦に導くものとして反撃している」という記事がある。

早いのは、広告代理店の、じゃなくてCNNの4月16日で、「プーチン・ ますます先鋭化する紛争が、ウクライナを『内戦まぢか』におしやっている」というものがある(メドヴェージェフのセリフ)。
でも全体的にアメリカだと、やはり一般人にとっては遠い国際ニュースなのだろうという感じがする。

全体をまとめると、英語とフランス語を見ている範囲では、5月3日に出始めて、5日あたりにあちこちで一気に増え、エリート意識のある新聞ですら使われ始めたという印象である。ただし「内戦」とはっきり言っているものは数えるほどしかなく、ほとんど全部が「内戦の危機」「内戦のふち」のような表現である、ということだ。



ここ最近要人がウクライナの選挙に言及することが増えたような印象だ。ただ、その前にまたクリミアのようなやり方で、地方で住民投票をしようとしている。プーチンが国境の軍を退却させると言いだしたが、どの程度の重みがあるだろうか。
そのほか、欧州議会選挙もあるのだけど・・・。
あと、7日の朝のNHKニュースでロシアコサックがウクライナに入ってきたという情報があり、調べてみると、コサックのことは、全然大きな記事ではないが、既にちらほら語られていた。全然気づかなかった。コサック・・・なんだかすごく歴史と地方性を感じる。大陸だ、平原だ。。。

それらはまた次回。



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